高市早苗氏、処理水問題で中国に毅然 真正面から反論「最後の一滴まで安全性確保」〝親中派〟去り岸田政権に変化?

高市早苗科学技術担当相は25日、オーストリアの首都ウィーンで始まった国際原子力機関(IAEA)の総会に出席した。高市氏は、東京電力福島第1原発処理水の放出について説明し、中国が科学的根拠のない批判を続け、日本産水産物の禁輸を続けていることに真正面から反論した。「親中派」外相らが閣外に去ったことで、岸田文雄政権は変われるのか。
「安全性に万全を期したうえで(8月に放出を開始した)」「IAEAの継続的な関与のもと、最後の一滴の海洋放出が終わるまで安全性を確保し続ける」
高市氏は、総会の演説でこう言い切った。
これに先立ち、中国は演説で「福島の『核汚染水』の海洋放出は原子力の安全性をめぐる大きな問題だ」と主張したが、これはおかしい。
第1原発は、多核種除去設備「ALPS」で放射性物質の浄化処理を行い、どうしても除去できないトリチウムを、国の規制基準の40分の1、世界保健機関(WHO)の飲料水基準の7分の1に希釈して放出している。IAEAも「国際的な安全基準に合致する」と評価している。
自然界に大量に存在するトリチウムを除去することは困難で、世界各国も希釈して海などに放出している。第1原発が今年度放出する総量は年間22兆ベクレル未満で、中国・秦山第3原発の約143兆ベクレル(2020年)などと比べると極めて少ない。
このため、高市氏は演説で、中国の主張は科学的証拠に基づいていないとし、「IAEAに加盟しながら事実に基づかない発信をし、突出した輸入規制をとっているのは中国だけだ」と述べ、正確な情報発信を中国に求めていく考えを強調した。
IAEAのラファエル・グロッシ事務局長は、海洋放出に関してIAEAが「独立した監視」を実施していると説明。悪影響が出ないように放出が終わるまで関与を続ける姿勢を示した。
高市氏や岸田政権の姿勢をどう見るか。
福井県立大学の島田洋一名誉教授は「高市氏の演説は、林芳正前外相のあいまいな発信と異なり、堂々と明確でしっかりした反論だった。今後、上川陽子外相を中心に全閣僚が連帯して、中国に厳しく発信していくべきだ。中国による日本産水産物の禁輸には、日本全体で対峙(たいじ)する必要がある。政府は、国内の消費喚起や、加工・製造施設の整備、中国以外の輸出先拡大などでバックアップしていく。G7(先進7カ国)で結束した対応も求められる」と語った。