熊本県松橋(まつばせ)町(現宇城(うき)市)で1985年に男性が刺殺された「松橋事件」で、熊本地裁(松藤和博裁判長)は、今年3月に再審無罪が確定した宮田浩喜(こうき)さん(86)に約6000万円の刑事補償を支給する決定を出した。9月13日付。弁護団への取材で判明した。
刑事補償法は無罪判決を受けた場合、身柄拘束の日数に応じて1日当たり1万2500円を上限に補償を請求できると規定する。
宮田さんは85年に殺人容疑で逮捕・起訴された後、銃刀法違反などでも追起訴された。最高裁で殺人罪などが確定し99年3月に仮出所するまで5178日間、身柄を拘束された。宮田さんの成年後見人は今年5月、有罪となった銃刀法違反などの刑期1年を除く補償を求めた。
地裁決定は「長期の拘禁で受けた精神的苦痛は相当に大きい」と指摘。請求通り約13年分(4813日間)の上限額の補償を認めた。弁護団の主任弁護人、三角恒(こう)弁護士は「最低限の補償がなされた」とし、宮田さんを30年以上支援してきた斉藤誠弁護士は「一度有罪にされた過去は消えない。冤罪(えんざい)を生んだ責任の所在を明らかにしてほしい」と話した。【清水晃平】