23日夜、名古屋市の高校の体育館が全焼する火事がありました。夜、火の気のないはずの体育館でなぜ火事が起きたのか。専門家は「燃え方が不自然に早すぎる」と指摘しています。
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愛知・名古屋市、23日午後8時すぎ。炎が真っ赤に燃え上がっていました。火の勢いは激しさを増し、夜空に大量の煙が立ちのぼりました。燃えていたのは高校の体育館です。およそ5時間後に消し止められましたが、体育館は全焼しました。
記者(愛知・名古屋市、24日午前9時すぎ)
「名古屋市消防局の職員が、出火原因調査のため、校内へ入っていきます」
24日、学校は臨時休校となり、警察官と消防隊員20人ほどが実況見分を行って出火原因などを調べました。
火事が起きたのは、愛知県名古屋市の名城大学付属高校の体育館です。校舎のすぐ隣にある体育館の屋根が黒く焦げていました。
火事は23日午後8時頃発生しました。直前まで体操部やバドミントン部などが部活動を行っていて、部員が体育館を出た直後に火の手が上がりました。
高校に通う生徒
「体操部の場所だと思うので、跳び箱とかそういう物があったと思う。結構遅くまで(部活動を)やっている人はいると思う。7時半くらいまでやっているんじゃないかと」
なぜ火の気がない体育館で、大規模な火事が起きたのでしょうか。専門家は、火事の“不自然な早さ”に注目したといいます。
元東京消防庁・麻布消防署長 坂口隆夫さん
「非常に早すぎると思いますね、燃え方が。やはり時間的に非常に不自然である」
火事が起きた時間について、学校関係者らは…
名城大学付属高校 角野伸一副校長
「体操部の部員が(体育館を)出たのは、7時45分~55分くらいの間」
消防関係者
「20時に119番通報が学校から入りましたので、20時1分に出動指令を出しています」
体操部員が最後に体育館を出たのは午後7時55分でした。火事の通報が入ったのは、その5分後の午後8時。すぐに出動指令が出て、現場へ向かいましたが、到着すると、あっという間に体育館からは大きな炎が上がっていました。
しかし、専門家は、通常ここまで早く燃え広がらないと指摘します。
元東京消防庁・麻布消防署長 坂口隆夫さん
「最終的に体育館を出た方の時間と、それから119番通報の時間を考えると、5分から10分ですよね。通常の電気関係のトラブルだとか、あるいはたばこの吸い殻だとか、そういうもので出火した場合は、そんな短時間ではあそこまで燃え上がらない。何らかの人為的な何かが加えられて、出火したのかなと」
一方で、今回の火災との関連はわかっていませんが、学校をめぐっては9月に不審火があったといいます。
高校に通う生徒
「(約1か月前の)テスト中に火災報知器が3回くらい鳴らされて、その後に先生に聞いたら、ボヤ騒ぎがあった」
高校に通う生徒
「貼り紙が燃えたことが1回あって。先月よりちょっと前くらい」
名城大学付属高校 角野伸一副校長
「(焼けたのは)プリントが1枚、廊下で。関連についても、あるともないとも申し上げることができない」
警察と消防は、出火原因の特定を急いでいます。