【ミクロネシア連邦=加藤学】厚生労働省は26日、太平洋戦争中にトラック諸島(現ミクロネシア連邦チューク州)沖で撃沈された日本軍の艦船から遺骨を引き揚げた。
この日は、給油船「神国丸」と特設巡洋艦「清澄丸」で作業が進められた。神国丸では、潜水士が水深38メートルの暗い機関室に入り、袋に 大腿 (だいたい)骨などの遺骨を納めた後、しっかりと胸に抱きかかえて浮上した。
厚労省によると、神国丸からは4柱を引き揚げた。調査団が日本へ持ち帰り、DNA型鑑定をして身元を調べる。清澄丸からも遺骨を収容した。
厚労省は、戦没船に取り残されている遺骨について、ダイバーの目に触れるなど尊厳が損なわれている場合に収容してきた。しかし、近年は外国人ダイバーらが遺骨の写真を撮影し、SNSで拡散するケースも確認されており、厚労省はダイビング事業者らからの情報収集を強化するなどの対応を進めている。