国と沖縄県が真っ向対立 県庁では厳しい見方 辺野古代執行訴訟

米軍普天間飛行場の名護市辺野古への県内移設計画は、公益にかなうのか。30日に福岡高裁那覇支部であった代執行訴訟の第1回口頭弁論では、国と県の主張が真っ向から対立した。
沖縄県の玉城デニー知事はスーツに青いネクタイ姿で出廷。約13分にわたった意見陳述で、沖縄戦での犠牲や戦後の米国統治時代の強制的な土地収用、米軍による事件・事故や環境汚染が繰り返されてきた「基地負担」の歴史に言及し、沖縄県民の多くが辺野古移設に反対する理由を説明した。
玉城知事は「県民が示す民意こそが公益とされなければならない」とし、「国が公益として安全保障を主張するならば、安全保障を国民全体で考え、米軍基地を日本全体で負担する必要があることについて、国民の理解を得る努力を不断に行うべきです。果たしてそれはどれほど行われているのでしょうか」と問いかけた。
一方、国土交通相側の代理人は、知事が設計変更を承認しない「違法状態」を放置すれば、移設計画に伴う埋め立て事業は遅れ、普天間飛行場の危険性除去の実現を阻むとして「公益の侵害は明らかだ」と強調。最高裁判決で「違法」とされたにもかかわらず、知事が承認しない状況を「法治国家の基盤たる『法律による行政』の原理に反する看過しがたい事態だ」と批判した。
訴訟は即日結審したが、三浦隆志裁判長は「判決期日は追って指定する」と告げた。閉廷後、玉城知事は県庁で記者団の取材に「裁判所もしっかりと内容について精査しようという考えではないか」と語った。
ただ、県庁内部では判決は県側に厳しい内容になるとの見方が強い。辺野古移設を巡り、国が2015年に初めて代執行訴訟を起こした時は高裁の勧告で国と県の間で和解が成立したが、今回、国は知事の不承認処分を違法とする確定判決を得た上で代執行に向けた訴訟を起こした。ある県幹部は「国は詰め将棋のように理屈を積み上げて提訴しており、県が突き崩すのはなかなか難しい。厳しい判決になると思う」と語った。【比嘉洋】