31日午後1時15分頃、埼玉県戸田市本町の戸田中央総合病院で、男が拳銃のようなものを発砲し、医師ら男性2人にけがを負わせ、逃走した。午後2時過ぎには、病院から北に約1・5キロ離れた蕨市中央の蕨郵便局に拳銃のようなものを持った70歳代くらいの男が押し入り、立てこもった。局内には逃げ遅れた20~30歳代の女性局員2人がいるといい、県警は同一犯とみて捜査するとともに、局員2人の安否確認を進めている。
午後5時現在、郵便局周辺は大勢の警察官が集まり、騒然としている。県警は半径約500メートルの立ち入りを規制したうえで、防弾装備をつけた機動隊員も投入している。午後2時43分には、局内から発砲とみられる破裂音が1発響き、警察官が住民らに郵便局から離れるよう呼びかけた。
蕨市消防本部も、男が灯油などを持ち込んだ可能性があるとの情報を受け、消防車両など5台を近くに待機させている。
日本郵政によると、蕨郵便局は郵便物の集荷・配達機能のある集配局で、所属社員は約270人。県南部の中核拠点となっている。
蕨郵便局前では、読売新聞の記者が駆けつけた午後2時35分頃、ヘルメットや防弾チョッキを身につけ、楯や拳銃を持った警察官5人ほどから路上から郵便局の玄関付近に向かって「武器を捨てろ!」と叫んでいた。その8分後、発砲したとみられる乾いた破裂音が聞こえた。「パン!」。警戒していた警察官たちが「離れろ! 急いで!」と、周囲にいた住民ら十数人に建物から遠ざかるよう促した。ベランダから顔を出して不安げに様子をうかがっていた住民にも、「窓から顔を出さないで」と大声で呼びかけた。
一方、戸田市中央総合病院での発砲事件では、40歳代の医師と60歳代の患者が負傷した。捜査幹部によると、ともに命には別条ないとみられる。男は病院の外から建物1階の診察室に向けて発砲したとみられ、窓ガラスが蜂の巣状に割れているのが確認された。病院関係者の話では、診察室の床には血だまりができていたという。
戸田市消防本部によると、病院からは午後1時50分頃、救急患者の搬送停止の要請があった。病院のホームページによると、院内には内科や呼吸器内科など24の診療科があり、517床の一般病床を備えている。
発砲事件が起きた戸田市中央総合病院から約1・1キロ北西の同市新曽の住宅街では、木造アパートを焼く火災があった。蕨署や消防によると、死者やけが人の情報はないが、住民からの119番は午後1時頃で、同署は事件との関連も視野に入れて調べている。