日マレーシア共同訓練強化=中国念頭「現状変更認めず」―OSA協議へ・首脳会談

【クアラルンプール時事】岸田文雄首相は5日(日本時間同)、マレーシアのアンワル首相とクアラルンプール近郊の首相公邸で会談した。東・南シナ海で威圧的な行動を続ける中国を念頭に、「力による一方的な現状変更の試みは容認できない」との立場を確認。自衛隊とマレーシア軍の共同訓練や交流を強化していくことで一致した。
岸田氏のマレーシア訪問は首相就任後初めて。会談は通訳のみ交えた1対1の形式を含め、約2時間行われた。
両首脳は安全保障・防衛分野で「戦略的な意思疎通」を図ることで合意。日本が「同志国」を対象に防衛装備品の供与などを行う「政府安全保障能力強化支援(OSA)」の実施に向けた調整や、海上保安機関同士の協力を進めることを申し合わせた。
岸田氏は会談で「国際社会は複合的な危機に直面している」と指摘。「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化し、人間の尊厳が守られる世界を確保するべく共に協力していきたい」と呼び掛けた。
経済分野では、日本への液化天然ガス(LNG)の安定供給を含めエネルギー面の協力を加速させることや、投資環境の整備を通じて日系企業の活動を後押しすることで一致。日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)の友好協力50周年を記念し、12月に東京で開く特別首脳会議に向けた連携も確認した。
アンワル氏は会談後の共同記者発表で、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出に言及し、国際原子力機関(IAEA)の包括報告書が生態系への影響を「無視できる」と評価したことについて「満足している」と表明。「日本産品を引き続き受け入れる」と約束した。
[時事通信社]