東京・新宿区歌舞伎町の売れっ子ホストは、ソフトバンクの社員2人と共謀し、出資者向けの説明会をソフトバンク本社の会議室で行い、会社のロゴ入りの事業説明資料を使って投資家を信じ込ませていた。
架空の事業の投資話で12億円をだまし取ったとして、ホストの森田真伍（41）、ソフトバンクのデジタルトランスフォーメーション統括部元部長の清水亮（47）、同社業務システム部元課長の枡田健吾（42）ら3容疑者が8日、警視庁捜査2課に詐欺容疑で逮捕された。
3人は2022年1～3月、東京・港区の本社会議室に森田容疑者の知人ら計20人を集め、複数回にわたって事業計画を説明。30代の会社経営者の男性から7回にわたり、12億円を巻き上げた。
清水容疑者が「プロジェクトの総責任者」を名乗り、90ページに及ぶ偽のプレゼン資料とモニターを使い、「全国約3500店舗あるソフトバンクショップのシステムを入れ替える約96億円の事業がある。投資すれば20％の配当がある」と言って信頼させていた。
清水容疑者は受け取った12億円のうち、10億円を森田容疑者の口座に振り込み、森田容疑者はその大半を借金返済に充てていた。
「被害者は本社の会議室で部長と課長から直接説明を受け、完全に信用してしまった。清水容疑者は副業で経営していたコンサル会社の資金繰りに困窮し、数億円の借金を抱えていた。知人を通じて知り合った森田容疑者からウソの投資話を持ちかけられ、飛びついた。清水容疑者は部下の枡田容疑者に指示し、分厚い資料を作成させた」（捜査事情通）
■お笑いタレント相手に5億円の金銭トラブル
森田容疑者は不動産投資家として、お笑いコンビ「TKO」の木本武宏に5億超円の投資をさせるなど、数々の金銭トラブルを起こしていた。その華麗な芸能界の人脈をフル活用して、投資家たちを信用させていたようだ。
「森田容疑者は4年前、『Junkymood』というアパレルブランドを立ち上げ、モデルにジャングルポケットの斉藤慎二を起用し俳優の和合真一とのコラボTシャツを販売していた。モデルの村瀬紗英や池田美優も宣伝に一役買い、1周年記念には女優の剛力彩芽、歌手の浜崎あゆみや倖田來未らから花が贈られていました。misonoとのツーショット写真をインスタに何枚もアップし、『芸能人の友達しかいない』と、周囲に自慢していたそうです」（芸能関係者）
芸能人からだまし取った金を返済するため、別の投資家をだましていたのか。