“ソフトバンク投資”で12億円詐取…エリート社員と歌舞伎町売れっ子ホストの「懐事情」

ソフトバンクのエリート社員2人が東京・歌舞伎町の売れっ子ホストとグルになり、本社会議室を使って投資家から12億円をだまし取っていた事件。
詐欺容疑で逮捕された同社元デジタルトランスフォーメーション統括部長の清水亮(47)とホストの森田真伍両容疑者(41)は、それぞれ多額の借金を背負い、切羽詰まっていたようだ。
清水容疑者は大卒後、NTTに入社。ソフトバンクコマースを経て、ソフトバンクの統括部長に上り詰めた。2007年には副業として、東京・大手町でITコンサルティング会社「トレンドライフ」を設立。22年12月、15億円の負債を抱え破産した。
清水容疑者の部下で、ともに逮捕された元業務システム部課長の枡田健吾容疑者(42)は大卒後、イー・アクセスに入社。13年に経営統合により、ソフトバンクに移り、18年からRPA(ロボットによる業務自動化)の導入、運用を担当していた。枡田容疑者も21年にITコンサル会社「ネクストドア」を立ち上げたが、今年1月、わずか1年半で清算している。
2人はRPAに関する本を共著で出版するなど、社内でも「やり手」だったようだ。
「清水が投資家向けに本社の会議室で説明会を始めたのは、21年12月ごろです。その1カ月ほど前、経営する会社の取引先が破産し、多額の焦げ付きが発生した。資金繰りに行き詰まり、数億円の借金を背負うことになった。そんな時に、知り合いから森田を紹介され、詐欺話をもちかけられ、枡田を巻き込んだのです。投資家からだまし取った12億円のうち、森田が10億円、残り2億円を清水と枡田で分けていた。森田は10億円の大半を借金返済に充てていた」(捜査事情通)
森田容疑者は自称元ミュージシャン。芸能界に顔が利き、19年にアパレル会社「YOLO.TOKYO」を創業。お笑いタレントをモデルに起用し「Junkymood」ブランドを展開していたが、フェードアウト。
今年から歌舞伎町にあるホストクラブで働き始め、幹部に昇格するなど、月1500万円を稼ぐ売れっ子ホストになっていた。羽振りが良くなったようで、逮捕時は東京・南麻布の高級賃貸マンションに住んでいた。
不動産投資目的で森田容疑者に5億円を預けたとされるお笑いコンビ「TKO」の木本武宏は、今年1月の会見で「返済計画を伝えられた」と話していたが、もはや絶望的だ。