神田憲次財務副大臣が辞任、事実上の更迭…与党内からも「資質を欠く」と批判の声

政府は13日、税金滞納が発覚した自民党の神田憲次財務副大臣(60)(衆院愛知5区)の辞任を決めた。岸田首相による事実上の更迭で、政務三役の交代は9月の内閣改造後、3人目となり、政権に大きな打撃となった。後任には自民の赤沢亮正・党政調会長代理(62)(衆院鳥取2区)が就いた。
首相は首相官邸で記者団の質問に応じ、「任命責任を重く受け止めている。国民におわびを申し上げなければならない」と陳謝した。
神田氏が財務省を通じ、参院財政金融委員会の理事らに提出した資料によると、税金滞納は2013~22年、固定資産税と都市計画税で計約340万円に上り、神田氏は自ら代表取締役を務める会社が保有する土地、建物を名古屋市に計4回差し押さえられた。
問題は週刊文春(電子版)の8日の報道で発覚したが、首相は税理士でもある神田氏が最終的に納税しており、「現状で法律違反はない」として、まずは説明責任を果たさせ、世論などの反応を見極める立場を取った。
しかし、野党だけでなく、政府・与党内からも「国民に納税をお願いする立場の財務副大臣として資質を欠いている」と辞任を求める声が強まった。文春は13日の電子版では、神田氏が自ら代表を務める政党支部などへの貸付金を巡り、21年の政治資金収支報告書と所得等報告書にズレがある疑惑を報じた。
来週からは、首相が早期成立を目指す23年度補正予算案の審議が衆参予算委員会で始まることから、首相は更迭はやむを得ないと判断したとみられる。神田氏は13日、財務省内で「私の問題で国会審議に影響を及ぼすことは避けたい」と記者団に述べた。
政権への逆風は強まっており、12日投開票の東京都青梅市長選では自民、公明党推薦の現職が敗れるなど、地方選にも影響が出ている。