医師射殺の男「大けがさせようと」=殺意改めて否認―埼玉立てこもり公判

埼玉県ふじみ野市の民家で昨年1月、住人の男が散弾銃を発砲して立てこもり、男性医師らが殺害された事件で、殺人などの罪に問われた渡辺宏被告(67)の裁判員裁判の公判が15日、さいたま地裁(小池健治裁判長)であった。被告人質問が行われ、渡辺被告は「(医師の)右ひざ辺りを狙って大けがさせてやろうという気持ちだった」と述べ、改めて殺意を否認した。
渡辺被告は、散弾銃を持ち出した理由について「(前日に亡くなった)母の蘇生措置のお願いを聞いてもらえず、頭に血が上った」と説明した。
事件当日、医師が経営するクリニック関係者3人を呼び出し、母への焼香を要求したことについては、母のリハビリを断られたり、電話口での対応に問題があったりしたためと主張。「線香を上げてもらい、心の中で謝ってほしかった」と述べた。
一方、亡くなった医師らに対しては「申し訳ないと思っている。猛省しています」と話した。
[時事通信社]