「私自身の事実誤認もある発言であり、全面的に撤回した」
2013年に招致が決まった東京五輪をめぐり、石川県の馳浩知事(62)がIOC(国際オリンピック委員会)の委員に対し、内閣官房報償費(機密費)で贈答品を渡したと発言した問題。馳知事はあらためて報道陣の取材に対し、発言内容を否定していたが、具体的に発言のどの部分が事実誤認だったのかについては明言を避けた。
自民党の東京五輪招致推進本部長を務めていた馳知事。17日に東京都内で講演した際、招致活動を振り返り、当時の安倍晋三首相から「必ず(招致を)勝ち取れ」「金はいくらでも出す」「官房機密費もある」と告げられたと発言。贈答品としてIOC委員の選手時代の写真などをまとめたアルバム(一冊20万円)を約100人分作成したという。
馳知事は発言内容を「誤認」として撤回したものの、ネット上では早くも「いつ」「官房機密費を使ったアルバムを渡したのか」という“謎解き”が始まっている。
■文科大臣当時「IOC委員の皆さん方が一気に集まってこられる、このときに流れができる」と答弁
招致活動の事実関係を簡単に振り返ると、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで「2020年夏季五輪」の開催地が「東京」と決まったのは、2013年9月だ。そして当時の五輪招致委員会が招致を「勝ち取る」ために契約を結んでいたのが、仏検察当局がJOC(日本オリンピック委員会)の竹田恒和会長(76)に対する贈賄容疑などで捜査を進めた海外コンサル会社「ブラック・タイディングス社」。
招致委がブラック社にコンサル料を支払ったのは2013年7月と10月の2回で、それぞれ「手付金」と「成果報酬」とみられている。
2016年5月の衆院文部科学委員会で、社民党議員からブラック社との契約理由を問われた馳文科大臣(当時)はこう答えている。
「端的に言えば、票固めのための情報収集であります。票を最終的に入れていただくのは9月7日の日でありますので、そのときにIOC委員の皆さんがやはり日本だなと確信を持って1票を投じてもらえるような、票を固めるためにはその事前の情報収集が必要でありますから、そのためにはこのブラック・タイディング社がベストというふうに判断をJOCとしてされたと思います」
つまり、招致委がブラック社に「手付金」を支払ってから、9月初めに開催地決定するまでの約2か月間が、IOC委員に対して東京開催に確信を持たせるための「勝負期間」だったと言えなくもないわけだ。SNS上でも《ブラック社との契約後、IOC委員が集まる何らかのイベントでアルバムが渡されたのでは》と“推理”する声が出ているのだが、実は16年5月の衆院文科委で馳大臣はこうも答えている。