国立天文台などの国際チームは、南米チリの電波望遠鏡「 ALMA (アルマ)」の解像度を従来の2倍まで向上させることに成功したと発表した。より遠くの天体を観測し、太陽系のような惑星の集団(惑星系)が形成される仕組みを解明できる可能性があるという。論文が科学誌アストロフィジカル・ジャーナルに掲載された。
アルマ望遠鏡は、口径7メートルと同12メートルのパラボラアンテナ計66台を組み合わせることで、一つの巨大望遠鏡を構成している。宇宙から届く様々な周波数帯の電波をキャッチし、光学望遠鏡では捉えられない遠くの天体のガスやちりを観測する。
電波はアンテナに届く際、大気の揺らぎの影響で観測に誤差が生じる。アンテナ間の距離を広げるほど観測範囲は広がるが、誤差も大きくなって精度は落ちる。
チームは、アンテナ間の距離を最大16キロに拡大した上で、より精度の高い電波受信機を使用。さらに、異なる周波数帯で観測したデータを組み合わせて誤差を補正する方法を開発し、最高解像度を2倍に引き上げた。
精度の向上で、中心構造までわかる惑星系はこれまで5個しか判別できなかったのが、600個以上も観測可能になった。研究を主導した同天文台の朝木義晴准教授は「4キロ先の髪の毛1本を判別できるレベルだ」と話す。
茨城大の百瀬宗武教授(電波天文学)の話「観測装置の強みを最大限に引き出し、惑星が形成される様子に直接迫れる成果だ」