公明党が、日本維新の会が重視する2025年大阪・関西万博の会場建設費の膨張を巡り、追及姿勢を強めている。次期衆院選で全面対決となる維新の不手際と攻め立て、勢いをそぐ狙いがある。ただ、政府・与党として万博の成功を目指す立場にもあり、整合性を問う声も出ている。
推進の立場 矛盾も
公明の山口代表は28日の記者会見で、「負担は最終的に国民に回ってくる。小出しに膨らんでいく印象を持たれないよう説明する努力が必要だ」と強調した。
国会でも、伊佐進一衆院議員(衆院大阪6区)が21日の衆院予算委員会で、建設費膨張の象徴として批判の的にされている環状の大屋根(リング)などをやり玉に挙げ、「計画がずさんだ」と批判した。
万博の運営主体である「日本国際博覧会協会」(万博協会)の副会長を、維新の共同代表である吉村洋文・大阪府知事や、地域政党「大阪維新の会」幹事長の横山英幸・大阪市長がそれぞれ務めていることを踏まえ、「国も府も大阪市も責任逃れできない」と迫った。
国と大阪府・市、経済界の3者が分担する万博の会場建設費は、当初想定した約1250億円から、約1・9倍となる最大約2350億円に増える見通しだ。上振れは20年12月に続く2度目で、立憲民主党など野党が追及を強めている。
国会で公明が野党と足並みをそろえるのは異例だ。次期衆院選で、公明現職がいる大阪、兵庫の6小選挙区に維新が候補擁立を決め、危機感が強まっていることが背景にある。
万博で巨額の負担を招くことは、「身を切る改革」を看板としてきた維新のイメージダウンにつながるとみている。大阪府議会は20日の本会議で、今回の建設費増額を巡る意見書を賛成多数で可決したが、公明は反対に回った。公明の石川博崇大阪府本部代表は25日の記者会見で「増額について市民に大きな疑問の声が上がっている」と語った。
もっとも、公明には与党として万博推進の立場を崩せない実情もある。9月には大阪選出の国会議員が自民党の二階俊博・元幹事長らとともに万博会場を視察し、成功に向け協力する方針を確認した。自民内からは「過度に批判すれば選挙のための『党利党略』とみられかねない」(幹部)との声も出ている。