消防本部間の緊急時情報伝達にLINE企業版 神奈川県が導入検討

神奈川県は10月から、災害発生時などの緊急時に県と県内24消防本部間の情報伝達手段として、無料通信アプリのLINE(ライン)の企業版を試行的に運用する。現地の消防本部だけでは対応が難しいレベルの大規模な災害が発生した時、県や他の消防本部との情報の共有を迅速にできる仕組み。検証の結果、効果が認められれば本格導入したい考え。
県は県内で局地的な大災害が発生した時に備え、県内の消防本部と一体になって被災地の対応にあたれるよう「かながわ消防」という仕組みを2016年から構築している。県内には、33市町村にまたがる形で24の消防本部がある。県によると、初動にあたっては現在、電話やファクスのやりとりの対応が前提となっており、情報共有の迅速化などが課題となっていた。
今回利用を始めるのは、LINEの関連会社「ワークスモバイルジャパン」が運営するアプリ「LINE WORKS(ラインワークス)」。仕組みはラインとほぼ同じで、県内の24消防本部がタブレット端末を通じてメッセージの確認ややりとりができる。災害発生などの緊急情報が24の消防本部で瞬時に把握できるようになる。どこの消防本部がメッセージを読んだか「既読」情報も個別に把握できる。応援出動の迅速など初動対応力を大幅に向上させることが期待され、被害を最小限に抑えることを目指す。
県は8月下旬、ワークス社などと協定を結んだ。締結式で黒岩祐治知事は「いざという時に一斉に各消防本部が一体となって動けるような形が出来上がる。大変心強い」と話した。県は実災害時や訓練時の使用結果を踏まえ、効果を検証する。早ければ年度内の本格的導入を目指すという。【木下翔太郎】