「切羽詰まり」 能登地震の混乱で自販機破壊 関与の女性が謝罪 災害支援型も停電で機能せず

能登半島地震を巡り、石川県立穴水高校に設置された自動販売機を避難者が壊して飲料を入手したトラブルがあり、破壊に関与した女性が自販機の管理会社側へ謝罪したことが分かった。管理会社は石川県警に被害届を出したが、壊した行為は緊急的な対応だったとして、被害の弁済は求めない方針だ。
管理会社は、北陸コカ・コーラボトリング(富山県高岡市)。同社などによると、地震発生から数時間後の1日夜、自主避難先となった穴水高校に避難していた男女数人が同社管理の自販機1台を工具などで破壊した。
同社は18日に県警へ被害届を提出。22日、破損に関わったという女性から、「子供連れの方々から、『子供たちの飲み物がない』といった声があり、(自販機内の)飲料を配ろうと思った」などと連絡があった。女性は「学校の責任者らに連絡を取ろうとしたが不在で、(自分たちで)判断した。切羽詰まった状況だったが、よくない行動であり、反省している」と謝罪し、弁済の意思も示したという。
管理会社は弁済求めぬ方針
自販機は1台約40万円(新品)だが、同社は事情を考慮して女性らへ被害弁済は求めない方針という。
同社によると、被害を受けた自販機は、災害時に専用キーを差し込むと支払いなしに商品が得られる状態になる「災害支援型」だった。キーは学校側が管理していたが、同社広報担当者は「当時は停電していて自販機が通電しておらず、仮にキーがあっても無償で取り出すことはできなかった」とする。
一方で、今回のような破損行為については、「けがの危険もあり、避けてほしい」と指摘。有事の際は自販機を破壊してもいいというような認識が広がることを懸念しているとし、「気が動転していることも多いと思うが、まずは本体に記載された緊急連絡先に連絡し、指示を仰いでもらいたい」と呼びかけている。
今回の問題では、女性らが破損させた自販機が他に2台あり、それぞれ明治(東京都)と雪印メグミルク(札幌市)が管理。両社は今後の対応について、検討中としている。(中村翔樹)