私立札幌新陽高校(札幌市南区)の女子硬式野球部で昨年5月、練習準備中に部員が重さ500キロ・グラム超のバッティングケージの下敷きになった事故を巡り、北海道警が7日付で同部の女性監督(30)を業務上過失傷害容疑で札幌地検に書類送検した。部員は今も意識不明の重体だといい、同校は「誠心誠意の対応を続けていきたい」としている。
事故は昨年5月6日、札幌市豊平区の札幌大学グラウンドで発生。部員5人がそれぞれ柱を持って移動させていたキャスター付きのケージが進行方向側に倒れ、うち1人の頭部に金属製の枠が直撃した。
学校側が設置した第三者委員会の調査報告書によると、同部は普段、同市南区真駒内の野球場で活動していたが、前日に急きょ練習場所が変更され、初めて現場のグラウンドを使うことになった。事故直前、被害に遭った部員が持つ柱が何らかの理由で動きにくくなり、ケージのバランスが崩れたとみられるという。
部員5人がケージの移動を始めた際、顧問2人は離れた場所で水たまりを除く作業をしており、ケージ付近にいた監督もグラウンドを管理する担当者と会話するなどしていた。
捜査関係者によると、道警は監督について、部員の近くにいながら安全対策を怠り、事故を引き起こした責任があると判断。ただ、起訴するかどうかは地検に委ねる「相当処分」の意見を付けたという。