関西電力の役員ら20人が高浜原子力発電所の立地する福井県高浜町の元助役森山栄治氏(故人)から多額の金品を受領していた問題で、森山氏が顧問を名乗っていた建設会社「吉田開発」(高浜町)に対し、関電が少なくとも18件の工事を、入札を行わない「特命発注」で契約していたことがわかった。うち8件を占める関電京都支社では、吉田開発への特命発注が歴代の担当者間の引き継ぎ事項となっていたことも判明。同社への不透明な「特別扱い」が常態化していた。
調査で判明したのは、2014年9月~17年末の工事分。報告書によると、京都支社は「原発立地地域を大切にしてほしい」という森山氏の意向を踏まえ、支社管内で実施する「寮社宅・社屋工事」について、毎年度、関電の調達部門に「高浜町の地元企業に配慮してほしい」と要望していた。
同町で、関電の建物工事の取引先として登録されているのは吉田開発のみで、この要望により、入札を経ない同社への特命発注が続いてきた。調達の担当者間では「過去の慣例」として引き継がれてきたという。
社内調査委員会は、「手続き的な不透明さがやや残る」としつつ、原発立地地域への配慮を理由に社内ルールからの逸脱はないと結論づけた。この他、原子力事業本部でも立地条件や他社の辞退などを理由に、10件を特命発注にしていた。計18件の発注額について関電は明らかにしていない。
関電と森山氏との関係では、これまで工事の概算額などの情報が関電から何度も森山氏に伝わっていたことが判明している。