ホリエモンが立ち食い高級焼き肉店をオープン 会員制「WAGYUMAFIA」の新業態

10月4日、アジア最大級の歓楽街である東京・歌舞伎町に、起業家の堀江貴文氏らが手掛ける立ち食い高級焼き肉店「YAKINIKUMAFIA(ヤキニクマフィア)」がオープンする。当面は、完全会員制の和牛レストラン「WAGYUMAFIA(ワギュウマフィア)」会員などしか利用できないが、2020年1月から一般向けにオープンする予定だ。

YAKINIKUMAFIAの店内が報道陣に公開されたので、実際に行ってみた。

歌舞伎町のど真ん中にある
JR新宿駅の東口から5分ほど歩くと、インバウンド客などでにぎわう「新宿東宝ビル」が見えてくる。同ビルには「ゴジラヘッド」と呼ばれるゴジラの頭のオブジェがあり、飲食店や映画館が入っている。

新宿東宝ビルの目の前には、「シネシティ広場」がある。ライオン像の横には空き缶やゴミが落ちており、電柱には「道路で居座り飲酒する行為、しゃがみ込み、又は立ち止まって、交通の妨害となる行為、歩行者等に対し不安を覚えさせる行為はやめてください」という貼り紙がある。このエリアは一昔前と比べるとかなり“浄化”されているが、猥雑な雰囲気はわずかに残っている。付近にはインバウンド客を狙ったホテルがどんどん建設されている。

YAKINIKUMAFIAは、シネシティ広場から目と鼻の先にある「歌舞伎町商店街振興組合ビル」の7階にある。このビルにはさまざまな飲食店が入っている。

エレベーターを7階で降りると、無煙ロースターが内蔵されているオシャレなスタンディングテーブルが目に飛び込んでくる。天板は白っぽい色をしており、ロースターを点火するための操作盤もついている。店の天井付近は銀色にピカピカと輝いており、とても焼き肉店のようには見えない。カジュアルでオシャレなバーといった雰囲気だ。

無煙ロースターはA4サイズの紙をのせるとすっぽりと隠れるくらい小さなサイズで、1人用となっている。記者はかつて1人焼き肉専門チェーンの「焼肉ライク」を取材したことがあるが、店内にあった無煙ロースターとほぼ同じサイズだ。

どんな仕組みになっているのか
YAKINIKUMAFIAはWAGYUMAFIAの新業態であり、「スタンディング焼き肉バー」という位置付けだ。WAGYUMAFIAは、堀江貴文氏と和牛専門シェフの浜田寿人氏が2016年に設立した完全会員制の和牛レストランだ。和牛の良さを楽しむためのイベントなどを開催しており、現在は東京と香港に5つの店舗を展開している。食通を自負する会社員男性によると「会員になるのはとても難しい」という。

YAKINIKUMAFIAは、国内外のお客に和牛を楽しんでもらう機会を提供するためにオープンした。メニューの中心となるのは5000円(税別、以下同)の「YAKINIKUMAFIA BBQ BARA PLATE COMBO SET」だ。WAGYUMAFIAでも提供されている尾崎牛・神戸牛、ごはん、大根の鬼おろし、キュウリのどぶ漬け、牛骨スープで構成される。その他のメニューは、「HARAMI OUTSIDE SKIRT」(5000円)、「SIRLOIN STEAK」(7000円)、「100 DAYS DRY AGED KOBE BEEF RUMP」(1万円)などがある。ワインやビールなどもそろえている。

来店したお客は、入口に設置されている多言語対応のタッチパネルで料理を注文する。決済を終えるとレシートが出てくるので、お客は自分の好きな場所に移動して料理が届くのを待つ。注文内容は自動的にキッチンに伝わる。

なぜこの店をオープンしたのか
ゆっくりと落ち着いた雰囲気で食べるイメージがある高級焼き肉だが、なぜ、立ち食いという方式を選んだのだろうか。

浜田氏は「美食の街として有名なスペインのサンセバスチャンには、立ち食い形式の店も多い。世界のトレンドを和牛にも取り入れた」と説明する。また、日本を訪れる富裕層の中にはおいしいものをサクッと食べたいというニーズがあり、立ち食いに商機があると見込んだ。

堀江氏は「(一般的な)空中階の店と比べると、内装には法外なお金をかけている」と説明する。一般的な高級焼き肉店らしくない内装にすることで、ナンバーワンの存在にする意図があるという。

YAKINIKUMAFIAはなぜ、歌舞伎町にオープンしたのか。それは、この地がインバウンド客に人気のスポットであるのが大きな理由だ。同店のメニューは英語となっており、日本語の表記はない。この地でYAKINIKUMAFIAを試し、世界に打って出る狙いがある。今後、香港、マニラ、ロンドン、ニューヨークに出店する予定だ。国内では、インバウンド客に人気の主要都市に、20店舗程度出店する計画だという。

WAGYUMAFIAは最上級のブランドで、YAKINIKUMAFIAはその次に来る位置付けだ。浜田氏によると、最も売り上げのある香港のWAGYUMAFIAは年商6億円。歌舞伎町のYAKINIKUMAFIAは年商1億5000万円程度を見込む。

浜田氏によると、日本の高級牛肉の代名詞である「WAGYU」は世界の料理界において「最高峰のランクの肉」として認識されていると説明する。手間をかけて育てた和牛の良さを世界に広め、より高い価格で売っていくのが狙いだ。堀江氏と浜田氏の和牛を軸としたビジネスはどこまで拡大していくのか。