朝鮮学校無償化訴訟、名古屋高裁が原告の請求棄却

朝鮮学校を高校無償化の対象に指定しなかったのは違法だとして、愛知朝鮮中高級学校(愛知県豊明市)の卒業生10人が国に1人当たり55万円の慰謝料などを求めた訴訟の控訴審判決が3日、名古屋高裁であった。松並重雄裁判長は請求を退けた1審・名古屋地裁判決を支持し、卒業生側の控訴を棄却した。
同種訴訟は全国の5地裁・支部で起こされ、高裁判決は3件目。東京、大阪両地裁に起こした訴訟に対し、最高裁はともに退けている。
1審では不指定処分の適法性が争点だった。判決は「朝鮮学校が朝鮮総連(在日本朝鮮人総連合会)から、教育基本法の禁ずる『不当な支配』を受けていると疑うべき事情があった」として処分に裁量権の逸脱・乱用はなく、妥当と判断していた。
卒業生側は控訴審で「『学校は朝鮮総連による不当な支配がある疑いがある』とした判断は客観的な事実に反し、取り消されるべきだ」と主張していた。
高校無償化は2010年、当時の民主党政権が導入。朝鮮学校は愛知など全国10校が対象指定を求めたが、自民党政権復帰後の13年、下村博文・文部科学相(当時)は北朝鮮による拉致問題や、朝鮮学校と朝鮮総連の関係を問題視し、不指定とした。【川瀬慎一朗】