「自白強要の認識変わらず」 誤認逮捕の女性がコメント

愛媛県警松山東署が松山市の20代女性を窃盗容疑で誤認逮捕した問題で、自白の強要を否定した県警の調査結果を受け、女性が4日、「自白の強要をされたという認識に変わりはない」とのコメントを代理人弁護士を通じて発表した。
県警は3日の記者会見で、取り調べで「就職も決まってるなら大事(おおごと)にしたくないよね?」「認めないと終わらないよ」と発言したことを事実と認めたが、「自由な意思決定を阻害するとまでは認められなかった」として自白の強要は否定した。
これに対し、女性は「脅しともとれる発言」と改めて批判。県警から調査の早い段階で「自白の強要はなかった」という認識を伝えられていたといい、「『自白の強要はなかった』と結論付けるための調査結果を作成しているとしか感じることができなかった」「これからも同様の取り調べが行われてしまうことを危惧している」と不信感をあらわにした。
また、取り調べ時の黙秘権についても触れ、「黙秘すると、『弁護士に言われたから黙秘するのではなく、自らの意思で話せ』と言われ、黙秘権は機能していませんでした」と訴えた。
女性は、松山市内でタクシーから現金入りのセカンドバッグを盗んだとして7月に逮捕、その後釈放された。追加の捜査で誤認逮捕が判明した。【中川祐一】