NHK「自主自立損なわれた事実ない」圧力屈服否定

NHK上田良一会長が3日、都内の同局で定例会見を行った。
昨年4月、かんぽ生命の不正販売問題を報じた「クローズアップ現代+」をめぐり、日本郵政グループから抗議を受け、同10月に、NHK経営委員会が上田氏を注意したことに関して説明した。昨夏に予定されていた続編の放送が見送られたことから、NHKが圧力に屈したと一部で報じられていることについて「自主自立が損なわれた事実はない」と、時系列を追って説明した。
番組では昨年4月、かんぽ生命の不適切な営業問題について取り上げた。放送後、視聴者から「日本郵政グループの体質は何も変わっていない」という情報提供が寄せられた。NHKは、昨年8月の拡大版での続編放送へ向け、同7月に広く情報提供を呼び掛ける動画をアップしたが、これに対し郵政側が「内容が一方的」と抗議。「確かに、情報提供の呼び掛けなのか、事実として伝えているものなのか判別しづらい内容になっていた」(編成局責任者)として動画は削除された。
上田会長は、「8月の拡大版で取り上げるテーマの候補のひとつとしてかんぽ生命の問題が挙がり、リサーチを始めたが、十分な取材が尽くされていないと判断し、取材を継続することになった」とした。これらは経営委からの注意を受ける前の出来事であり、「自主自立、編集の自由が損なわれた事実はない」と述べた。