23歳男に懲役25年求刑=ネットカフェ殺人―名古屋地裁

名古屋市のインターネットカフェで利用客が殺害された事件で、殺人罪などに問われた無職稲田府見洋被告(23)の裁判員裁判の論告求刑公判が4日、名古屋地裁(神田大助裁判長)であった。検察側は「強い殺意による極めて残虐かつ執拗(しつよう)な犯行だ」として、懲役25年を求刑。弁護側は無罪を主張した。判決は11日。
検察側は論告で、被告側が主張する統合失調症の影響は限定的だとし、「犯行当時は完全責任能力があった」と指摘。「被害者には何ら落ち度がなく、遺族の処罰感情も厳しい」と述べた。
一方、弁護側は心神喪失で無罪を主張した。
起訴状などによると、稲田被告は昨年5月17日、同市中区のネットカフェで、個室で資格試験の勉強をしていた愛知県尾張旭市の銀行員大竹智之さん=当時(35)=を果物ナイフで突き刺し殺害したなどとされる。