東大阪市山手町の山中で1月25日、成人男性の切断された遺体の一部が見つかる事件があり、大阪府警捜査1課と枚岡署は2月5日までに大阪市中央区日本橋の無職・大木滉斗容疑者(28)を死体遺棄容疑で逮捕。そして、遺体の身元を同じマンションの別の階に住む国土交通省職員・神岡孝充さん(52)と突き止めた。同区島之内の廃墟化したマンション内で切断された頭部も発見され、司法解剖により死因は窒息死と判明。府警は大木容疑者が死亡や遺体切断の経緯も知っているとみて追及している。
〈画像〉壁には英語で落書きが…神岡さんの頭部が遺棄されていた廃マンション、胴体は山中に…
廃マンションを捜索したところ、切断された頭部が…
事件は1月25日、生駒山中で行方不明者の捜索をしていた警察官が両腕と両足、頭部が切断された胴体部分を発見して発覚した。
現場周辺の防犯カメラ映像の分析などを進めたところ、昨年12月28日夜、最寄りの近鉄奈良線額田駅から約1キロ離れた現場に向かって大きなキャリーケースを引いて歩く不審人物が映っており、この特定作業から大木容疑者が浮上。
1月中旬から行方不明になっていた大木容疑者が和歌山県内にいたところを2月2日に発見し、任意の事情聴取に死体を遺棄したことを認めたため、3日未明に逮捕した。
容疑者の供述にもとづき府警が廃マンションを捜索したところ同日、切断された頭部が見つかった。
神岡さんは航空保安大学校(大阪府泉佐野市)会計課長で、昨年12月26日は通常通り出勤、翌27日はテレワークで午後3時ごろに勤務終了の連絡があったという。神岡さんは同日から正月休みで海外在住の妻に会いに行く予定だったが、出国の記録はなく、同29日に妻から府警に「夫と連絡が取れない」と通報があったという。
「妻からの捜索願を受けて府警南署員が元日にマンションの神岡さんの部屋を捜索したところ、出国準備を整えた荷物を残して神岡さんの姿が消えていた。
府警は詳細をまだ明らかにしていませんが、行方不明捜索の過程で、昨年12月27日午後3時から翌28日夜までの間、同マンションからキャリーケースに切断遺体を入れた不審者が出る様子を防犯カメラなどで確認したとみられます。
同マンションは近鉄日本橋駅に近く、電車で額田駅まで移動したのでしょう。切断遺体は偶然見つかったのではなく、神岡さんの捜索の過程で発見され、大木容疑者逮捕後に見つかった頭部とともに、DNA鑑定で本人と特定された。状況から神岡さんは何者かに殺害されてから切断された可能性が高い」(捜査1課担当記者)
「金髪のカツラをかぶってマスクもしていて不自然でしかありません」
大木容疑者は遺棄現場へと向かう途中、金髪のカツラをかぶっており、“変装”した姿が市内の防犯カメラに映っていたという。二人と同じマンションに住む住人はこう話した。
「直接容疑者とか被害者の方を知ってるとかではなく、見たことある程度ですね。警察の方も何度か聞き込みにきて、容疑者の方の写真を見せられ、見たことあるかどうかきかれました。マンションのエレベーター内の写真で顔ははっきり見えないのですが、斜め上から撮った防犯カメラの映像をプリントしたものでした。
写真に写っていた男の人は肩くらいまでの長さの金髪のカツラをかぶっていて、さらにマスクもしていて不自然でしかありませんでした。服装については覚えてないのですが、とにかく男の人が金髪ロングのカツラをしている印象でした。マンション内で何かトラブルがあったとかも知らなかったので、事件の報道を見た時は驚きましたね」
捜査関係者によると神岡さんの部屋には争ったような形跡はなく、今のところ二人の間にトラブルも確認されていないという。府警は二人の接点などを詳しく調べている
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班