東京・八王子のアパート階段崩落死亡事故 業過致死容疑で施工会社の元会長を書類送検へ

令和3年4月に東京都八王子市でアパートの外階段が崩れ、住人の女性が転落死した事故で、警視庁捜査1課は、点検などを怠り事故を引き起こしたとして、業務上過失致死の疑いで、施工業者「則武地所」(相模原市、破産)の元会長の男性(77)を14日にも書類送検する方針を固めた。13日、捜査関係者への取材で分かった。
事故は3年4月17日、八王子市南新町にある3階建てアパートで発生。踊り場と2階をつなぐ部分が崩れ、階段を上がっていたアパートの住人、大手里美さん=当時(58)=が約2メートル下に転落。頭を打ち、5日後に死亡した。
事故が発生したアパートでは、鉄製の階段と踊り場をつなぐ木製の部品が腐食しており、防腐措置を取っていなかった。
警視庁は施工業者が、事故前から外階段の木製部分が腐食している可能性を認識していたのに、適切な処置を怠るなどした結果、事故を起こし、女性を転落死させた疑いがあるとみている。
同社は東京都や神奈川県の一戸建てや共同住宅の建築を手がけていたが、資金繰りが悪化し、事故後に自己破産を申請した。国土交通省は事故を受け、工事中や完了後の検査で安全確認を強化するといった再発防止策をまとめた。