幼児向けキックバイクで死亡事故相次ぐ ブレーキなく減速できず

国民生活センターは19日、ペダルが無く足で地面を蹴って走る幼児向け二輪遊具「キックバイク」について、2019年4月から24年12月までの5年8カ月で、101件の事故が報告されているとして注意を呼びかけた。基本的にブレーキは付いておらず、坂道などで速度が出ると減速できずに転倒したり、衝突したりするケースが多発している。
101件のうち、坂道での事故が少なくとも半数の50件、年齢別では3、4歳が約7割の72件を占めた。負傷部位は顔や頭部が多かった。24年には死亡事故が相次ぎ、4月に北海道で3歳女児がワンボックスカーに巻き込まれ、8月には兵庫県で2歳男児が軽乗用車にはねられた。
同センターが3歳児に見立てた人形を用いて傾斜10度の坂道(高さ約1・7メートル、長さ10メートル)をキックバイクで滑走させた実験では、時速16キロを記録。一般の自転車の10~20キロと同程度の速度が出ることが分かったという。同センターは、坂道では使用せず、両足のかかとがしっかり着くことを確認した上でヘルメットを着用させるなど、使用方法を守るよう呼びかけている。【垂水友里香】