絶滅の恐れがあるクマの生態解明やヒトとの共存を目指し、北海道大大学院獣医学研究院の坪田敏男教授(野生動物学)らがクラウドファンディング(CF)で研究資金を募っている。18日まで。500万円を目標に支援を呼びかけている。
クマは世界に8種いて、8種のうちツキノワグマやホッキョクグマなど6種の絶滅が懸念される一方、エサを求めて人里に下りてくるなどヒトの暮らしとのあつれきが生まれている。3日には北海道美唄市の山林でハンターがヒグマに襲われ、道が1カ月間のヒグマ注意報を発令した。
坪田教授らは、クマの食性や行動圏を調べている。クマの調査は長期間にわたり、多額の資金が必要になるが、国が支給する研究費だけでは十分に賄えていない状況という。
今回のCFは2023、24年に続く第3弾。いずれも絶滅が危惧されているゴビ砂漠のゴビヒグマやスリランカのナマケグマを新たに現地調査する方針。日本国内のクマの食性や行動圏の追跡調査も継続して行う。
坪田教授は「ヒトとクマが共存できる世界の実現と未来の地球を守りたい」と寄付を呼びかけている。
寄付はCFのウェブサイト(https://readyfor.jp/projects/bearconservation2025)で受け付けている。【片野裕之】