9500人分の卒アル顔写真流出か 印刷会社にサイバー攻撃 札幌

札幌市教育委員会は11日、市立小中学校の卒業生約9500人の卒業アルバム用顔写真と氏名が、印刷会社へのサイバー攻撃によって流出した可能性があると明らかにした。サイバー攻撃を受けた斎藤コロタイプ印刷(仙台市)によると、これまでにインターネットへの掲載など2次被害は確認されていないという。
札幌市内での被害は2023年度の卒業生9486人分。約300校ある市立小中校のうち、同社が印刷を請け負った100校の卒業生全員分が該当している。全国では計17万3000人分の卒業アルバムの個人情報が流出した可能性があるという。
市教委によると、同社はアルバムを作成する業者から、印刷を委託されていた。24年7月にサイバー攻撃を受けた可能性を把握した同社は、漏えいした可能性のあるデータの特定を25年1月に完了し、今月4日に市教委に報告した。
サイバー攻撃の可能性を把握してから市教委に報告するまで約9カ月かかったことについて、市教委は「大変遺憾である。重大な事態が発生した際は速やかに報告するよう改めて周知する」としている。【後藤佳怜】