13日に開幕した大阪・関西万博。初日から悪天候や混雑、通信障害に見舞われたこともあり、交流サイト(SNS)では14日にかけて「#万博ヤバい」がトレンド入りした。
中でも不安視されているのが、6日に会場内の一角で検知されたメタンガスだ。一時は、引火すれば爆発の恐れがある濃度を超えた。
メタンガスは無味無臭の可燃性ガスで、直接的な毒性はないが、高濃度になると、酸欠や爆発を引き起こす危険がある。
過去には、死傷者が出る事故も起きた。
2007年6月に東京都渋谷区の温泉施設「シエスパ」の地下機械室で起きた爆発事故では、従業員ら6人が死傷した。
温泉に含まれるメタンガスが配管から漏れ、引火したことが原因だった。施設の設計を担当した建設会社社員が業務上過失致死傷罪に問われ、有罪が確定した。
兵庫県姫路市のごみ処理施設内に建設中だった健康増進センターでは10年3月に、作業員ら10人が重軽傷を負う事故があった。現場の汚泥から発生したメタンガスにガスバーナーの火が移ったことで爆発した。
今回の万博会場では、昨年3月にも工事作業中に引火する事故が起きている。6日にガスを検知した同じ工区内で、爆発の影響で床材がはがれ、屋根にへこみが生じたという。けが人はいなかった。
6日のガス検知を受け、千葉県船橋市の中学校が修学旅行で予定していた万博訪問を取りやめるといった影響も出ている。
日本国際博覧会協会(万博協会)はモニタリングの頻度を上げ、換気方法を見直すなどの対応を取ったとして「引き続き、安心して来場いただけるよう会場運営を行う」とコメントしている。
ガスの安全確認結果は、万博協会公式サイトで毎日更新される「今週の万博」ページ(https://www.expo2025.or.jp/news/daily)の「気象・安全情報」で確認できる。
14日午前8時半更新の情報では、ガス安全確認状況として「安全にご来場いただけます」と記載されている。【千脇康平】