生成人工知能(AI)で作成したわいせつな画像のポスターを販売したとして男女4人が逮捕された事件で、大半が画像の生成方法について、「もともと知識はなかった」「独学で学んだ」と供述していることが15日、捜査関係者への取材で分かった。インターネット上には、人物の容姿や表情、ポーズを指定する指示文を入力すると無料で画像を生成できるツールがあり、4人はこれらを悪用してわいせつな画像を作成、販売していたとみられる。
警視庁保安課がわいせつ図画頒布の疑いで逮捕したのは、愛知県北名古屋市の小売業、水谷智浩容疑者(44)ら28~53歳の男女4人。
逮捕容疑はそれぞれ、令和6年10月、生成AIで作成した女性の下半身が露骨に描かれたわいせつな画像のポスターを、ネットオークションで販売したとしている。3人は「モザイクがかかっていないポスターを売ったことに間違いない」などと容疑を認め、「アダルトAIポスターの販売は原価が安く、手軽に稼げると知って始めた」と話す者もいたという。
同課によると、4人は自宅のパソコンに無料の画像生成AIツールをインストールし、女性のポーズを指定する指示文を入力するなどして、実在しない女性の裸の画像を作成。自宅プリンターなどで印刷し、「AI美女」などと称してポスターを販売していた。水谷容疑者は「9千点以上出品した」と話しており、約1年で約1千万円を売り上げたとみられる。
同課のサイバーパトロールで発見した。ネットやオークションサイト上には生成AIで作成されたとみられるわいせつな画像が多数あり、捜査幹部は「生成AIの悪用の裾野が広がっている」として、警戒を続けていくとしている。