天台宗は16日までに、四国地方の寺院で女性僧侶に性暴力を働いたとして、60代の住職を罷免処分とした。一方、この住職を紹介した同宗最高位の大僧正については同日、「懲戒に該当しない」とする判断が確定したと発表した。
被害を訴えていたのは、50代の女性僧侶叡敦さん。3月24日付の同宗審理局の判断に対し、不服申し立てをするよう宗務庁に求めていたが、同庁は「処分の不当性を肯定する証拠が乏しい」として、申し立てを行わないことを決めた。
天台宗の細野舜海宗務総長は「宗教者の名誉と信用が著しく損なわれたことは誠に遺憾。天台宗としても重く受け止め、宗内僧侶の意識向上に取り組む」としている。
叡敦さんはSNS上で「大変残念。今後のことは代理人と相談の上決める」とコメントした。 [時事通信社]