城崎温泉で火災、旅館など5棟焼ける 1人搬送、宿泊者100人避難

5日午前2時50分ごろ、兵庫県豊岡市城崎町湯島の旅館の宿泊客から「1階から火が見える」と119番があった。豊岡市消防本部や県警豊岡署によると、旅館「千年の湯 権左衛門」や店舗など密集していた5棟が燃え、約5時間半後に消し止められた。旅館の男性従業員1人が煙を吸って搬送されたが、意識はあるという。
城崎温泉旅館協同組合の関係者によると、権左衛門に宿泊していた訪日客を含む約40人と、近隣旅館2軒の宿泊者の合わせて100人近くが別の旅館などに避難したという。市消防本部によると、権左衛門は5階建て延べ床面積約2400平方メートルで、大半が燃えた。
近くに住む男性(75)は「最初は煙が目立っていたが、ボーン、ボーンと爆発するような大きな音がして、午前3時半ごろには火の手が上がっていた」と話した。
城崎温泉街は木造旅館が建ち並び、柳並木の温泉情緒で知られる。1300年の歴史があり、文豪・志賀直哉が療養のため滞在した。【浜本年弘、前田優菜】