妊産婦などへの支援策に関する政府の検討会は、早ければ2026年度にも、出産費用の自己負担を無償化するよう求める提言を議論し、おおむね了承されました。
有識者らで構成する検討会は、去年6月から、妊娠や出産などへの支援策を議論してきました。
特に、出産にかかる費用は帝王切開の場合などを除き公的な医療保険が使えず、医療保険から「出産育児一時金」50万円が支給されるものの、地域によっては出産費用が50万円を超え、自己負担が生じることが課題となっています。
こうしたことから、14日午後開かれた検討会で、厚労省の検討会は、「標準的な出産費用」の自己負担を早ければ2026年度にも無償化することを求める提言を議論し、これをおおむね了承しました。
そして、無償化の前提として、出産にともなう診療やサービスには、医師が判断し実施されるものと、豪華な食事など、妊産婦が希望して選択するものがあるため、「標準的な出産費用」の基準を明確化する必要があるとも述べています。
有識者らのこの提言を受け、厚労省は無償化に向けて出産費用の保険適用を視野に入れたうえで、今後、医療保険部会に議論の場を移して、具体的な検討に入り、来年の通常国会で関連法案の改正を目指す考えです。
一方、産婦人科クリニックの医師などからは保険適用になれば、出産費用が全国一律になるため、現在より、収入が減ってしまう場合があり、閉鎖するクリニックもでてしまうと懸念する声もあります。
厚労省は、地域の妊娠・出産の医療体制に影響が出ないよう、医療機関の経営の実態に十分配慮し、無償化との両立ができるように検討を進めていくということです。
仮に、出産に保険が使えるようになる場合、3割の自己負担が生じますが、無償化するために、これをどう補助するかなどは今後検討される見込みです。
また、妊婦健診についても、妊婦の負担を軽くするため、公費負担をさらに推進すべきと提言しました。
なお、14日の検討会の結論では、無痛分娩については、安全で質の高い無痛分娩の提供体制の確保が必要だとし、保険適用すべきとは明記せず、今後の検討課題だとしました。