4年前、北海道札幌市で女子中学生がいじめを受けて自殺し、両親が札幌市に損害賠償を求めていた訴訟で、札幌市に続いて両親も和解に応じる方針を示しました。
この問題では、2021年、札幌市の中学1年の女子生徒が「いじめを受けた」という遺書を残して自殺し、第三者委員会の調査でいじめと自殺の因果関係が認められていて、両親が札幌市に対し、約6500万円の損害賠償を求める訴えを起こしていました。
札幌地裁は、4月7日、札幌市がいじめの防止措置が不十分だったと認めて謝罪した上で、6000万円を支払う和解案を提示していましたが、5月16日、両親の代理人が和解に応じる方針を明らかにしました。
◆原告(父)のコメント 裁判所は、札幌市が長年にわたり娘に対するいじめを放置し続けたことによって、娘を死に追い込んだとし、札幌市の責任を認めたので、裁判所が提示した和解勧告に応じることにしました。
いじめによって命を絶った娘への代償は計りしれず、今回の和解で娘への償いがすべて終わったとは思えませんが・・・
今回和解が成立すれば裁判としては終わることになりますが、元担任を含め、学校の先生方、市教委、そして札幌市長には、娘を死に追い込んだことについて責任を自覚し、札幌市において、今後、二度と同じことが起きないようにしっかり対策をとっていただきたいと願っております。
◆原告(母)のコメント 娘の命は何物にも代えることはできません。
ですが、裁判所が、娘を死に追い込んだ責任は札幌市にあると認めたうえで和解勧告を行ったので、札幌市との和解に応じることにしました。
裁判としては、和解に応じるとしたことで終わるとしても、私たち家族にとっては、終わりはありません。
私は、娘にもう二度と会うことはできないのです・・・成長していく娘の姿をもう二度と見ることができないのです。このやりきれない思いが消えることはありません。
札幌市は、すでに和解に応じる意向を示していて、近日中に成立する見通しです。