黒部市の一部の地域では、用水路に大量の砂が流れ込み、田植えを終えたばかりの水田に影響が出ています。
地元の人たちは、黒部川を流れる砂が例年より多いことが原因とみていますが、なぜ砂の量が増えているのかは分かっていません。
KNB 助田記者
「こちらの用水、白く濁っていますが、底をすくってみるとこのように砂がたまっています。そしてこの用水から田んぼにも大量の砂が流れ込んでしまっています」
植えられたばかりのイネに覆いかぶさるように広がる砂。
黒部市の荻生地区ではあちこちの田んぼで取水口から砂が流れ込み水路が完全にふさがれているところもあります。
農家からは「植えたばかりのイネがだめになってしまいとても困っている」との声が聞かれました。
用水路の中では砂が大量に流れ込んできている様子が確認できました。この砂は、いったいどこから来たのでしょうか。
用水路を管理する黒部川左岸土地改良区によりますと、黒部川の愛本えん堤左岸にある沈砂池にたまった砂が市内の用水路に流れ込んでいるといいます。
本来、沈砂池は川から取り込んだ水をためて砂を沈殿させ、用水路に砂が流れ込むのを少なくするための設備です。
しかし、何らかの要因で黒部川を流れる砂が例年より多く沈殿しきれなかった砂が用水路に流れ出しているとみられています。
砂は今月2日ごろから合口用水流域の地区で確認されていて、ちょうど取水期と重なったことで被害が広がりました。
土地改良区では砂の除去作業を進めていて、きょうも委託された業者が手作業や重機を使って砂を取り除いていました。
土地改良区によりますと、砂の量が増えた原因については、分かっていないということです。
今後、沈砂池を管理する北陸電力のほか、河川を管理する国土交通省や上流でダムを管理する関西電力などと原因の究明や対策について協議するということです。