北アルプス「唐松沢雪渓」学術的に氷河認定 国内7カ所目、県内では2カ所目

長野県白馬村や新潟大などで作る調査団は5日、北アルプス・唐松岳(長野・富山県境、2696メートル)の「唐松沢雪渓」(白馬村)が氷河であることが学術的に確認されたと発表した。国内7カ所目で、県内では昨年1月に確認された北ア・鹿島槍ケ岳(2889メートル)のカクネ里雪渓(大町市)に続いて2カ所目。
氷河は、夏に溶けなかった残雪と雪の堆積(たいせき)でできた厚い氷体が雪渓内を長期間流動すること。調査団は昨年9~10月に現地調査を実施。その結果、唐松沢雪渓の氷体は、長さ約1・1キロ、厚さは最大で約35メートルを確認。5カ所にポールを刺し、その動きを全地球測位システム(GPS)で追跡したところ、氷体は29日間で下流方向に最大25センチ動いていたという。
一方、新潟大の奈良間千之准教授は、日本3大雪渓の白馬大雪渓については「上流部の流域面積が大きいため、雨が降るとたくさんの水が流れ込んでくる。氷が解けるので、氷体が動くほどの厚みを持つ氷が形成されず、氷河ではない」と説明し、「上流部は狭い流域面積で、たくさんの雪を獲得できることが氷河に適した地形環境」と分析している。
立山カルデラ砂防博物館(富山県)の飯田肇学芸課長は「唐松沢雪渓は、気温的には氷河ができるぎりぎりか難しい地域にあるが、夏に溶ける量にも増す雪が積もる気候で、海外の多雪地帯の氷河と比べると独特と言える」と評価した。下川正剛村長は「ふもとからも見られるので『白馬に行けば氷河が見られる』と観光振興につなげるとともに、教育にも活用したい」と話した。【ガン・クリスティーナ】