【南城】南城市の第三者委員会が同市の古謝景春市長のセクハラとパワハラを認定し、辞職を提言したことを受け、古謝市長と私選弁護団が28日、市役所内で記者会見した。市長は手を触れたことなど一部は認めたものの、第三者委の調査報告書には「事実と異なる点も多くある」と主張。「辞職は考えていない。来年2月の任期満了まで職務を全うする」と述べ、改めて辞職を否定した。
第三者委が認定した市長によるキスや、太もも、肩、手、脇の下を触る行為、腹筋を触らせる行為、腹を殴る行為のうち、「職員の肩や手に触れた行為、腹への(突きを)寸止めする行為」を認めたが、他の行為は否定した。
肩や手に触れる行為は「コミュニケーションの一環だった」と釈明。第三者委の辞職提言は「大変驚いた。私への聴取内容が公平公正に扱われなかった」と不満を示した。
弁護団は7項目の反論書を読み上げ、「反対尋問がなく、事実認定は公平さを欠く。被害者の一方的な言い分をうのみにした」などと指摘した。一方、報道陣から否定する根拠を問われたが明確に示さず、「10年前の話をまことしやかに具体的に話すのはおかしい。自分たちでストーリーを書いて、しゃべっている」と被害者の証言に疑念を投げかけた。
被害申告と市長の主張が食い違っていることには「(被害申告者とは)直接会ったことはなく、書面でしか分からない。弁護団は事実認定機関ではない。事実解明には限界がある」とし、市長の正当性の立証には消極的姿勢を示した。
市長は市議会で不信任決議案が可決された場合の対応を問われたが「仮定の話には答えられない」と言及を避けた。(南部報道部・新崎哲史)
・2023年12月 古謝市長から元専属運転手女性に対するセクハラ疑惑が発覚
・2024年6月 市議会特別委員会による市職員向けアンケートで、市長によるセクハラ9件が発覚。市議会特別委が市に「第三者委員会の設置を求める決議」を全会一致で可決
・2024年10月 市が第三者委員会を設置
・2025年5月16日 第三者委員会が市に調査報告書を提出。市職員が訴えた古謝市長によるキスのほか、太ももや肩、手、脇の下を触る行為、腹筋を触らせる行為、腹を殴る暴力などを「全てあったと判断できる」と結論付け、市長に辞職を提言