県は27日、2024年度の県内狂犬病の予防注射率が前年度比1.3ポイント増の53.5%(速報値)だったと発表した。うち、32市町村は流行防止に必要とされる70%を満たしていない。県は「人間に感染して発症した場合、ほぼ100%死亡する」とし、予防注射月間の6月までの注射を呼びかけている。
県内の過去20年間の狂犬病予防注射率は50%前後で低迷しており、全国ワーストが続いている。
国内では1956年を最後に犬の狂犬病の発生はないが、外国からウイルスが入ってくる可能性があり、万が一、発生した場合は、まん延阻止が難しい状況だ。
24年度で注射率が70%を超えていたのは南大東、北大東、東、渡名喜、多良間、渡嘉敷、粟国、竹富、久米島の9町村。残る32市町村で最も低かったのは本部町の33.1%だった。
県薬務生活衛生課は「予防注射は毎年、打つ必要がある。6月まで各市町村で集合注射が行われているので、必ず受けてほしい。動物病院でも可能だ」と説明した。(社会部・下里潤)