東京都議会は6日、水道基本料金を今夏の4カ月分無料にする費用などを盛り込んだ2025年度補正予算を賛成多数で可決、成立した。都内すべての一般家庭が対象。都によると、都道府県単位での無償化は珍しい。全国的には老朽化した水道施設の更新のため、料金を値上げする動きが相次いでおり、都の方針に苦言を呈する首長も出ている。
都は今夏に限った時限措置として、6月か7月からの4カ月分の基本料金を無料にする。補正には関連費用として368億円を計上した。1世帯当たり計5000円程度の負担軽減となる。物価高の中、家計を支援してエアコンの利用控えをなくし、熱中症予防につなげる考えだ。
一方、26年度に水道料金を約2割値上げする予定の千葉県の熊谷俊人知事は「全国の都道府県で(無償化を)実行できるのは都しかない」と批判。背景に都市部と地方で税収の偏りがあると問題視した。秋田市の沼谷純市長も「豊富な自主財源で無償化する流れを良しとは思わない」と述べた。
これに対し、小池百合子都知事は先月30日の記者会見で「財源は都の財政からひねり出す。地方自治として優先順位を考えてのことで、工夫しながら対応している」と反論した。 [時事通信社]