兵庫県の斎藤元彦知事に関する内部告発問題で、神戸学院大の上脇博之教授が10日、告発者の私的情報を漏えいしたとして井ノ本知明・前総務部長に対する地方公務員法(守秘義務)違反容疑の告発状を神戸地検に提出した。漏えいを指示、容認したとして斎藤氏と片山安孝・前副知事に対する同法違反容疑の告発状も出した。
告発状では、斎藤氏が昨年4月上旬頃、県庁内で前県西播磨県民局長(昨年7月に死亡)の私的情報の報告を受けた際、同席していた井ノ本氏に、議会の執行部に知らせておくよう指示したと主張。井ノ本氏は同月中に、県議3人に漏えいし、片山氏は漏えいを容認したとしている。
県の第三者委員会が今年5月、井ノ本氏が県議に情報を漏らしたと認定し、斎藤氏と片山氏の指示だった可能性が高いとする調査報告書を公表。県は井ノ本氏を停職3か月の懲戒処分にした。
報告書の公表後、斎藤氏は「指示はしていない」と繰り返し主張。井ノ本氏は「業務行為が情報漏えいと評価され、誠に残念」、片山氏は「(議会への)必要な範囲の根回しで適正な業務」とコメントしていた。
県議会の主要4会派は井ノ本氏を刑事告発するよう県に申し入れたが、県は9日、刑事告発しない方針を4会派に伝えた。