〈 〈紀子さまはピンクのワンピースで…〉「結婚相手が彼女だったらいいな」秋篠宮ご夫妻の結婚に両家が抱いていた“知られざる思い” 〉から続く
きょう6月29日、秋篠宮ご夫妻が結婚35周年を迎えられた。1990年の結婚当時、秋篠宮さまは24歳、紀子さまは23歳。2人はどのように出会われ、将来を決めたのか。記者会見で語っていたこととは?
秋篠宮さまの貴重な肉声をつづった『秋篠宮』(2022年/小学館)などの著書をもつ、ジャーナリストの江森敬治氏が寄稿した。(全2回の2回目/ はじめ から読む)
和やかな雰囲気で行われた婚約内定会見
1989年1月7日、昭和天皇が亡くなりまだ喪中のうちに、皇室会議が開かれている。婚約が正式に決まったのは、昭和天皇が亡くなって8か月後、9月12日のことだった。
同日に記者会見が開かれ、秋篠宮さまは、濃紺のスーツ姿で、紀子さまもまた、濃紺のワンピース姿に真珠のネックレスという、落ち着いた装いで現れた。
会見中、紀子さまはひざの上に白い手袋を置いていたが、2人は何度も顔を見合わせ、微笑みを交わすなど、とても和やかな雰囲気だった。
記者から、「お互い、どんな点にひかれたのでしょうか」と、尋ねられた2人は、次のように答えた。
「話していて楽しい人」「アヒルなどをかわいがっておられるお姿や…」
「以前にもお話ししたことがございましたが、話をしていて楽しい人。また、どことなく愛きょうがあるというか……」(秋篠宮さま)
「生物、例えば御所内で飼ってらっしゃるナマズやアヒルなどをかわいがっておられるお姿や、熱心に魚類を研究しているお姿に強くひかれました。タイのお酒、メコンに誘われるまま、先生やお友達と語り合い、またギターを弾かれたりするご様子、そんなところにひかれました」(紀子さま)
そして、秋篠宮さまは、「付け加えると、(紀子さんは)非常に話題が豊富な方じゃないかと思っております」と、答えている。
プロポーズの言葉は?
また、記者から、「ご結婚を決意されたのは、いつごろでしたか。礼宮さま(当時)からのプロポーズのお言葉と、紀子さんのご返事は」と、質問されて次のように話した。
「決意は、だんだん、徐々に、そういう方向に固まっていったというところでしょうか」(秋篠宮さま)
「私も礼宮さまと同じく、徐々に気持ちを整理して参りました」(紀子さま)
「プロポーズは……そうですね、確か昭和61年の6月26日だったと思いますけれども、『私と一緒になってくれませんか』と話した記憶があります」(秋篠宮さま)
「私は『よく考えさせていただけませんか』と申し上げました」(紀子さま)
記者から、「現在、(昭和天皇の)喪中で、ご自身も留学中のお立場ですが、そういう時のご婚約決定をどうお考えになりますか。両陛下から反対はございませんでしたか」と、質問され、秋篠宮さまは以下のように答えている。なお、秋篠宮さまは1988年夏から約2年間、イギリスのオックスフォード大学大学院に留学している。
「現在、留学中、喪中ということでもありますが、ここ1、2年の間に川嶋家の方にいろいろ問い合わせ等が多くなって、私としても責任のあることですので、早い時期に公にしたいと判断いたしました。そうなりますためには、本日もございました皇室会議を経なければいけないわけですが、それにつきましては宮内庁としても特に異議はありませんでしたし、両陛下から反対もありませんでした」
「のんびりと明るく、和やかな家庭を築けたら…」
また、「ご結婚されると、独立され、宮家を営まれるわけですが、今後のご自身のあり方、抱負というものがございましたら、うかがいたいと思います」との質問に対し、秋篠宮さまはこのように答えている。
「新しい経験となるわけですけれども、いろいろな方からお導きいただきながら、二人でいい家庭を築けたら幸いと思っております。皇族としての抱負といたしましては、天皇をお助けする立場でございますし、与えられた皇族としての仕事をひとつひとつ、大切に果たしていくつもりでおります」
「どんな家庭を築いてゆきたいとお考えでしょうか。また、お子さまは何人ぐらい、お望みでしょうか」と、聞かれた紀子さまは、次のように話している。
「礼宮さまとご一緒にのんびりと明るく、和やかな家庭を築けたらと思っております。後の質問についてでございますが、それについても、これからゆっくりと考えていきたいと思っています」
紀子さまへの第一印象は「お父さまの話し方と…」
1985年5月、学習院大学法学部2年生の秋篠宮さまが、文学部に入学したばかりの紀子さまと大学構内の書店で初めて出会ったと、前編( #1 )で紹介したが、その時の紀子さまの第一印象を尋ねられた秋篠宮さまは、次のように答えている。
「こちらのお父さまを前から存じ上げていたんですが、非常にお父さまの話し方と似ているなと思いました」
紀子さまの父親である、学習院大学名誉教授の川嶋辰彦さん(故人)とは筆者も面識があるが、確かに紀子さまとよく似ているように思う。謙虚で温厚な人柄で、ゆったりとしたしゃべり方や話す時の表情、それに全体的な雰囲気などだ。
おそらく、秋篠宮さまの両親である上皇ご夫妻もまた、紀子さまと会った瞬間、父親とよく似ているとの第一印象を抱いたことであろう。辰彦さんは、上皇さまがOBである、馬術部の顧問を務めていた。辰彦さんを彷彿とさせる紀子さまの印象は、上皇ご夫妻にとって、安心材料の一つとなり、2人の交際にさらに好影響を与えたのではなかろうか。
多くの国民から祝福が寄せられる結婚を
このように考えると、義母の金銭トラブルが発覚し、最後まで迷走した秋篠宮ご夫妻の長女、小室眞子さんの結婚が残念でならない。眞子さんが、もっと積極的に秋篠宮ご夫妻と何でも相談していたのなら、あるいは、違った形になっていたかもしれないなどと考える。
ことし5月30日の定例会見で、宮内庁皇嗣職の吉田尚正大夫は、結婚後、アメリカに住んでいる眞子さんに第一子が誕生したことを明らかにした。秋篠宮ご一家は、誕生を喜んでおり、小室家の幸せな日々を願われていると述べたというが、出産の時期や性別などは公表しないというものだった。混迷した結婚の余波がまだ続いているのだろうか。
秋篠宮家には次女、佳子さま、そして、昨年18歳の成年を迎えられた長男、悠仁さまがいる。佳子さまと悠仁さまの結婚は、多くの国民が感動し、心から祝福されるものとなるよう願っている。
(江森 敬治)