東京都新宿区のマンションの一室に知人男性の遺体を遺棄したとして、警視庁捜査1課は2日、住所・職業不詳、北誠一容疑者(30)を死体遺棄容疑で緊急逮捕した。部屋はアダルトビデオの撮影や画像編集、待機場所として使われていたとみられる。
逮捕容疑は、仲間と共謀して6月27日ごろ、新宿区新宿6のマンションの一室で、住所・職業不詳の成瀬壮一郎さん(当時35歳)の遺体にブルーシートをかぶせるなどして隠して遺棄したとしている。「私はやっていない」と容疑を否認しているという。
警視庁によると、1日午後2時半ごろ、「異臭がする」とマンションの管理会社から110番があり、新宿署員が4階の一室から成瀬さんの遺体を見つけた。
遺体は頭部に複数の外傷があり、浴室の壁にもたれかかるようにして倒れていた。死後1週間前後たっているとみられ、警視庁は死亡した経緯も調べている。
北容疑者と成瀬さんは仕事を通じた知人で、ともに住人ではないものの部屋に出入りしていた。防犯カメラの画像から6月27日に北容疑者ともう1人の男性が部屋を出る姿が確認されており、警視庁はこの男性も何らかの事情を知っているとみて行方を調べている。
マンションでは数日前から「4階で異臭の苦情があり調査する」という内容の張り紙がされていたという。3階に住む40代女性は「単身者向けの部屋が多く、歌舞伎町が近いので『夜の仕事』をしている人も住んでいると思う。近所付き合いはなく、どんな人が出入りしているかも分からない」と話した。【菅健吾、朝比奈由佳、松本ゆう雅】