国民民主党“守り”と“攻め”の戦略 支持率急落の中…「現役世代」固める【 #政党フカボリ ③】

参議院選挙が3日、公示されました。日本テレビでは、投票前に考える「政党フカボリ」と題して、投票の参考になるよう各政党の現状や課題について、シリーズでお伝えしていきます。3日は国民民主党をフカボリします。現役世代を中心に急上昇した人気が参院選の直前で急落しています。どう支持を挽回するのか? 国民民主党の「守り」と「攻め」の戦略とは。
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国民民主党・玉木代表
「日本の政治を変える夏にしていきたい」
「手取りを増やす」をスローガンに、政治を変えると訴える玉木代表。しかしいま、変化を求められているのは、その国民民主党です。
NNNと読売新聞の世論調査で、今年1月と4月に過去最高の13%あった支持率が先月下旬、5%に急落。このピンチをどう打開するのか。玉木代表は――
国民民主党・玉木代表
「原点回帰で。原則はやっぱり、現役世代から豊かになろうということ」
反転攻勢のターゲットに挙げたのは「現役世代」からの支持。去年、国民民主党が衆院選で躍進する原動力となったのが、この20代、30代を中心とする「現役世代」でした。
まず、従来の支持という「守り」を固める戦略を選んだ玉木氏。密着取材で具体策が見えてきました。
演説を終えると、写真撮影に応じます。
会社員(42)
「撮ってもらいました! 一緒に2ショット。みんなに自慢します」
その場で写真をSNSにアップする人も。
――写真撮影の狙いは?
国民民主党・玉木代表
「政治に関心がない方でも、(友達から)送られてくるのが一番身近に政治を感じてもらえるきっかけになるかなと」
玉木氏が支持拡大に効果があると重視するのが、こうしたユーザーからユーザーへのSNS上での写真や動画の拡散です。
さらに、いま力を入れるもう1つのSNS戦略が。
国民民主党・玉木代表
「いまXをチェックして…」
フォロワー数およそ74万人という“拡散力”を使って始めたのが――
国民民主党・玉木代表
「1万3000人の方に同接いただいておりますけども」
一度に多くの人が視聴できるライブ配信です。
国民民主党・玉木代表
「就職氷河期世代対策、国民民主党だけが期待です、希望ですと言ってくれた人もいましたよ」
移動の車の中でも、SNS上での有権者との接触機会を増やす“ネットどぶ板選挙”を展開しています。
国民民主党・玉木代表
「リアルとネットをうまく組み合わせて、シナジー効果を出していくことが非常に重要だなと」
さらに、国民民主党は新たな支持層を獲得する「攻め」の戦略にも取り組んでいます。
広報戦略を担う、伊藤孝恵議員が明かしたターゲットとは――
国民民主党・伊藤広報委員長
「女性ですよね。いままで、男性が興味のあるといわれる分野に強い政党だったんですけど」
男性の支持が強かった一方で、弱点とされてきた女性の支持拡大を狙うというものです。
国民民主党・伊藤広報委員長
「政策・効果実感を重ねていく先にしか改善は見込めない」
国民民主党を取材する記者は――
国民民主党担当記者・中田早紀
「刺さる言葉・映える映像など、SNS上での拡散で支持拡大に成功してきた国民民主党。ただ、ネット上の支持は移ろいやすく、離れるのも早いと危機感を持っています。具体的で責任ある政策を打ち出し、リアルとネットの支持をどう固めていくか、戦略が問われています」