大阪府警は7月10日、特殊詐欺の高額被害が4件発生し、うち1件のロマンス詐欺では被害額が3億円以上にのぼると発表しました。
▼「北村直樹」名乗るアカウントからDM 徐々に好意をほのめかされ… 投資アプリをダウンロード
巨額のロマンス詐欺被害を受けたのは、大阪府内に住む50代の無職の女性です。
大阪府警によりますと、被害に至ったプロセスはこうです。
まず去年12月、女性のSNSに「北村直樹」を名乗るアカウントからダイレクトメッセージが届きました。
メッセージは、女性がSNSアカウントに載せていた動物の写真を褒める内容で、その後、女性は別のSNSに誘導されたということです。
最初は世間話でしたが、次第に女性への好意をほのめかす内容に変わり、女性も相手に好意を抱くようになったといいます。
その後、女性は「北村直樹」から金(きん)の投資を勧められ、案内されるがままに、あるアプリをダウンロードします。
このアプリは詐欺グループが作ったニセのアプリだったとみられ、最終的に2億円を超える利益を得られるように見せかけられていました。
後日、女性が出金を求めるとエラーが表示され、「投資サイトのカスタマーセンター」を名乗るアカウントから、「手数料がかかる」「関税費用がかかる」「金融庁の本人確認の費用がかかる」などの名目で、さらに現金をだましとられました。
最終的に今年4月、女性は実在する海外の投資サイトの日本法人に問い合わせたところ、詐欺に遭っていることに気付いたということです。
女性は今年1月から今年4月にかけ、計44回にわたり詐欺グループが指定する個人口座に金を振り込み、計約3億1600万円をだまし取られました。
女性は府警の聞き取りに対し「恋愛感情を抱いている中で投資の話をされて、興味を持つようになりました」と話しているということです。
▼捜査幹部「自分は大丈夫と思わず、警察に相談して」
大阪府警はこのほか、▽大阪府内の50代の会社役員の女性が約1億1500万円の投資名目のロマンス詐欺被害に、▽大阪府内の50代の無職の女性が約2億円の投資詐欺に、▽大阪府内の70代の無職の男性が約1億1000万円の投資詐欺被害に、それぞれ遭ったと発表しました。
ある捜査幹部は「被害者の方は投資・ロマンス詐欺被害をニュースなどで知っていても、自分の投資は正規のものだと思い込んでしまっている。自分は大丈夫と思わず、警察に相談してほしい」と話しています。
●大阪府下の投資・ロマンス詐欺被害
令和6年 発生:約150件 被害総額:約29億1000万円
令和7年5月末まで 発生:約150件 被害総額:約18億6000万円