マンホールのフタ吹き飛び道路大破…エアーハンマー現象か “爆発的”威力のワケ

10日、記録的大雨のさなか、横浜市ではマンホールのフタが吹き飛びました。「エアーハンマー現象」が原因とみられています。
10日午後7時半ごろ、横浜市港北区で撮影されたのは大雨による“恐怖の瞬間”でした。
マンホールから噴き出す水。
そして――
マンホールが吹き飛び、道路がめくれ上がり飛び散ります。
警察などによりますと、飛び散ったアスファルトなどが近くにいた車のフロントガラスを割り、親子2人が軽傷を負いました。
交差点にいた車のドライブレコーダーにもその瞬間が…。
車を運転していた女性は。
車の女性
「赤信号でよかった。タイミング合ったら本当に怖かった」
その後、信号が青に。ゆっくり慎重に進むと、周囲のマンホールのフタも外れたまま。マンホールからは水が出続け、大きながれきが散乱していました。
なぜ、マンホールは吹き飛んだのか。横浜市によると、考えられる原因はエアーハンマーと呼ばれる現象です。
横浜市によると当時、道路の下の下水管には大量の雨水が流れ込んでいて、水位が急上昇していたといいます。
一般的な下水管が耐えられる雨量は1時間あたり40ミリから50ミリでしたが、付近では当時、およそ100ミリの猛烈な雨が降っているとして、記録的短時間大雨情報が出されていました。
つまり、下水管が耐えられる2倍ほどの雨量が流れ込んだということ。
すると、下水管内にもともとあった空気が行き場を失い、マンホールの縦穴へ。次々と空気が流れ込むことで圧力が高まり、吹き飛んだとみられます。
現場をよく見ると、穴の近くにはマンホールのフタがコンクリートの枠にはまった状態で転がっています。
つまり、フタだけが吹き飛んだわけではなく、下水管とマンホールをつなぐ縦穴ごと吹き飛んだため、地面が割れるほどの被害になったとみられます。
東京23区でも猛烈な雨により、マンホールのフタがずれる被害が5件確認されています。
では、どのようにして回避すればいいのか。
撮影者は直前にある異変を感じていました。
撮影者
「水が絶え間なく噴き出ていて、そこから急に地面が地鳴りというか地震のような感じで揺れた瞬間に割れたというか爆発した感じ」
専門家も“音”が危険を察知する合図だと指摘します。
日本グラウンドマンホール工業会・大石直豪事務局長
「事前に空気が逃げようとするので、マンホールのフタ付近から『プシュー』『ゴボゴボ』、あるいはフタがカタカタと動く音。こういう音が聞こえたらもうマンホールには近寄らない」
都市部を中心に全国で起こる可能性があるというエアーハンマー現象。1番の対策は猛烈な雨が降った時は外出を控えることだと指摘しています。