【参院選】参政党〝勝ちすぎ〟は想定外か 神谷代表が警戒する3年前の「ドロ沼内紛」の再来

勝ちすぎて困った!? 参院選で大躍進した参政党は、参院でも過半数を割り少数与党となった自民党政権の命運を左右するキャスチングボートを握る存在に浮上した。しかし、神谷宗幣代表は与党との協力どころではない。想定外の大勝で、空中分解しかねないとあって、党内統制のかじ取りに集中しないといけないのだ。
「日本人ファースト」を掲げた参政党は、自民党の岩盤保守層などのほか、ホスト業界やトー横界わいのインフルエンサーが支援を表明するなど若年層の支持も集め、改選1議席から14議席の大幅増となった。この結果に海外メディアも「右派ポピュリスト政党が主導」「民族主義的な立場の政党」などと大騒ぎとなった。
神谷氏の勇ましい発言に若かりしころの安倍晋三元首相の姿を重ね合わせた人も多かったが、開票特番ではタカ派的な発言をトーンダウンさせ、憲法構想案などの各政策も最終的なものではないと修正。民放やネット番組のMCやコメンテーターは満を持して神谷氏をいさめようとケンカ腰で論戦を仕掛けたが、肩透かしを食らった格好だ。橋下徹氏は「相当過激な主張をしている人に見えるのに、コロッとマイルドな感じになっている」と呆れたほどだった。
政局次第では与党との間で重要な役割を果たす可能性が出てくるが、神谷氏は「政権与党と関わると飲み込まれかねない。まずは組織づくりに集中したい」と党内統制を第一に掲げた。神谷氏が懸念しているのは、血みどろの抗争となった党の主導権争いが再び起きかねないからだ。
3年前の参院選後、国政政党誕生に貢献した〝ゴレンジャー〟の神谷氏、松田学氏、赤尾由美氏、吉野敏明氏、武田邦彦氏の間で対立が表面化。党員同士のイザコザにも発展し、代表の座が松田氏から神谷氏に移譲され、赤尾氏、吉野氏、武田氏は事実上、追放される騒動があった。
代表と党員組織のトップに当たる事務局長を兼任する神谷氏に予算権や人事権を集中させているのも、乗っ取りやクーデターを封じるため。5月の代表選で再任後も事務局長の代えは利かないとして、兼任を続行していた。
昨年の衆院選で4議席を獲得し、今回の参院選では当初6議席を目標に掲げ徐々に党拡大の青写真を描いていたが、うれしい誤算で、衆参合わせて一気に18人の所帯となった。神谷氏は「これからは私一人では無理。切り盛りしながらやっていきたい」と早急に党幹事長や国会対策のポストを新設する考えを明かした。
「当選したベテラン組の処遇や新人教育、党の方向性を巡って、意見が食い違うのは当たり前だが、神谷氏がこれまで通りに強硬的にまとめれば、反発も出てくる。また所属議員のスキャンダルが早晩、報じられるとの話も出ている。ワンマン体制だけに対応を誤れば、再びガタガタになります」(永田町関係者)
内紛劇の二の舞を避けたい神谷氏は大勝にも「ありがたい反面、プレッシャーを感じている。暴れるのはけっこうだが、いいチームをつくらないといけない」と冷静。党内体制を固めた上で、早ければ秋の衆院選を迎えたいことを強調し「もう1回大飛躍して、30議席取れば、衆参で50議席。法律を作るところに手が届く」とのビジョンを示した。これからが正念場となりそうだ。