日本女子卓球界の名伯楽で、神奈川県卓球協会会長の近藤欽司さん=横須賀市=が22日に急性心不全のため死去した。82歳だった。お別れの会は28日午後4時から同市浦賀1の8の1、「儀礼館」で、葬儀は29日午前11時から同所で行われる。
愛知県出身の近藤さんは中学から競技を始め、愛工大名電高3年時に全国高校総体(インターハイ)と国民体育大会(現国民スポーツ大会)団体で優勝。その後、神奈川の強豪チーム、日産自動車を経て1965年に京浜女子商高(現白鵬女子高)卓球部の監督に就任し、インターハイ8度の優勝に導いた。女子日本代表監督も歴任し、シドニー、北京両五輪で指揮を執った。
競技力の向上を目的にジュニア世代の育成にも尽力した。2008年には全国の優秀な中学生を集めて英才教育するエリートアカデミーを発足し、近藤さんはコーチを担当。個性を伸ばし、平野美宇(木下グループ)や引退した福原愛さん、石川佳純さんら将来の五輪メダリストを育てた。
近藤さんは2023年5月から同協会会長に就き、「『卓球・神奈川』を復活させたい」と語っていた。神奈川新聞の企画連載「わが人生」にも登場した。