4人死亡の下水道、水深は1・8m…発見時に汚泥に埋まっていた作業員も

埼玉県行田市長野で2日午前、下水道管を点検していた作業員の男性4人がマンホールから下水道管に転落し、死亡した。八潮市で発生した県道陥没事故などインフラ(社会基盤)を巡る事故が相次いでいることに、住民からは不安の声が上がった。
行田市から点検作業を委託された土木会社の作業員から、119番があったのは同日午前9時25分頃。市消防本部によると、隊員が下水道管内に到達したのは午前9時52分だった。
下水の流れはゆるやかだったが、水深が約1・8メートルあったという。捜索と二次被害防止のため、業者に排水を依頼した。排水が終わり、命綱をつけた隊員が管内に到達したのは午後1時23分だった。
転落した4人のうち1人はマンホールの真下あたりに倒れていた。別の1人は汚泥に埋まっていた。残りの2人も近くで見つかったという。同市消防本部消防総務課は「下水道管の中はせまく、硫化水素と、たまっていた水が救出作業を難しくした」としている。
現場近くに住む無職の男性(61)は「普段にはない硫黄のような臭いを感じた。インフラに関連する事故が近くで起きたと思うと怖い」と話した。