7月に福岡県大牟田市の三井化学の工場から有毒ガスが漏れ出した問題です。
この工場で4月にも塩素系の有毒ガスが工場内に漏れ出し、作業員5人が病院に運ばれたにもかかわらず、三井化学が事案を公表していなかったことが分かりました。
この問題は、7月27日夜、大牟田市の三井化学大牟田工場で、亀裂が入った配管から塩素系のガスが漏れ出し、周辺住民など、のべ156人が医療機関を受診したものです。
福岡県などによりますと、この工場では2025年4月28日にも作業中に操作を誤ったことで塩素系の有毒ガスが漏れ出し、協力会社の男女5人が病院に運ばれていたことが分かりました。
5人はいずれも軽症で、翌日までに退院しています。
三井化学はこの時、消防や警察に通報していましたが、事案については公表していませんでした。
7月のガス漏れ事故の翌日に会見を行った際、過去に同様の事案があったかという質問に対してはこのように答えていました。
三井化学大牟田工場 鶴田智 工場長
「ガスを漏らすという行為は一番保安上重要なポイントですので、基本的には過去にない経験だった」
三井化学は「地域の人に影響が無かったため公表しなかったが、関係官庁には報告をしている」「再発防止策を講じ、今後安全対応を徹底していきたい」と話しています。