建設現場でのアスベスト(石綿)による健康被害を巡り、元労働者と遺族ら計約500人が建材メーカー計18社に損害賠償を求めた二つの訴訟は7日、東京高裁でうち446人と17社の間で和解が成立した。原告側が明らかにした。
原告側弁護団によると、太平洋セメントやニチアスなど主要メーカー7社が、アスベストの危険性の警告表示をしなかった責任を認めて謝罪し、400人に計約52億円の和解金を支払う。残る10社は弔意や見舞いの意を表明する。積水化学工業は和解に至らなかった。
和解対象となったのは20以上の建設現場に関わり、東京地裁に提訴した原告で、労働者1人当たり約700万~約2100万円が支払われる。解体作業などに当たっていた原告は対象とならず、今後東京高裁で判決が言い渡される。 [時事通信社]